2011-06-17

ねこのねごと

ずいぶんひさびさに完全にひとりの週末。
といってもたいていは持て余してしまうもので、 放っておくとずっとギターばかり弾いてしまいそうなので、息抜きに映画を借りてきた。

まずは、ずっと気になっていた「タカダワタル的」。高田渡さんのドキュメンタリー映画。
昔は、フォークソングって自分にとってすごく距離のある音楽だった。
なんというか、子どもが聴いてもわからない、聴いてはいけない音楽というか。
R30ぐらいの存在(だから今はまってるのかな)。

それに、フォークソングってある種の様式美のようなものの中で完結している気がしていた。
リズムもメロディーも単調で、歌詞がなんかしみったれてて、つまんないと思っていた。
まあ要はぼくが子どもだったと告白しているわけだけど。

でも渡さんのうただけは、初めて聞いた時から好きになった。
はっぴいえんどがバックを務めているっていうことから興味を持って「ごあいさつ」から聴いたんだと思うけど、バンド付きの曲より弾き語りの曲のほうがインパクトがあった。
そこからずぶずぶはまっていったのだと思う。

ぼくなんかが語るのはおこがましい気もするけれど、やっぱり渡さんの魅力は声。
いろんな詩人の詩に曲をつけるやり方で印象的な歌詞も多いけれど、そのことばもこの声に乗るからこそ素直に聴ける気がする。
人柄がどうやってもこぼれ出てしまうような無防備な歌声はどこかくすぐったいような印象を与え、そしてすぐに愛おしいものに変わる。

この映画を観て、タイプはぜんぜん違うけれど、ぼくは細野さんに似ているところがある、と思った。
とにかく頑固なんだけど、でも人の懐にすっと潜り込むあの感じ。
ちょっとこわい人なのかなとも思っていたけど、相手が犬でも観客でもスタッフでも、自分が好きな人には屈託のない笑顔を見せる姿がこの映画にはいっぱいとらえられていて、それを観るとこっちまでニヤニヤしてしまう。
目が悪いから、譜面台に置いた歌詞が見えず「なんて書いてあるのか・・・」とつぶやいて曲を途中でやめちゃうところなんか、本当にかわいらしい。

それにしても、このお父さんに育てられた高田漣は幸せものだな。

大好きなお酒とたばこ、そして音楽を自分の懐から片時も離さずに生涯を過ごし、ある日ふっと消えてしまった渡さん。
一度でいいからステージを観たかった。
あらためて、合掌。

吉祥寺にいったら、いせやで一杯やろう。

2 件のコメント:

  1. 続編も見たいんだけどなー。
    ��的ゼロってやつ。
    見た?
    ANVILは見たよ~映画館で。
    ラストは正直読めたけど泣いたね!

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  2. 昔劇場でイナペラと見ました。おもしろかったな。渡瀬はANVIL見たかね?バンドとはなんぞやってのが見れていいよ!

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