2012-04-20

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レヴォン・ヘルムが亡くなってしまった。

ぼくがはじめてレヴォン、そしてザ・バンドを知ったのは確か大学1年の頃。
実家に帰省したとき、WOWOWかなんかでラストワルツの映画を放送してた。
「うわ!ドラムボーカルじゃんか。」
そう興味を持ったのは覚えているけど、そのやたらと声が渋くて
背筋がピンと伸びた姿勢の良いドラマーは
当時のぼくにはおせじにもかっこいいとは思えず、
同時にザ・バンド自体に対しても特に感想を持たなかったような気がする。
それが出会い。

でも少し経つと、いつのまにかザ・バンドのアルバムは全てうちに揃ってた。
心のどっかで気になっていたのだろう。
はじめはビッグピンクの良さは全然わからなかった。
ステージフライトと南十字星、あとカフーツがお気に入りだった。
曲は歌っている人が書いているのだと勝手に思い込んでいて、
ロビーがほとんど一人で作っていることを知って驚いた。

そして例に漏れず、ラストワルツを見てどっぷりハマった。
リック・ダンコの歌う「同じことさ!」(なんちゅう邦題!)で何度も泣き、
リチャードの歌声は聴くたびに鳥肌が立ち、
ロビーの的確なギターには深く感銘を受け、
ガースのキテる感じはああ天才ってこういうのなんだなって思った。
そんな中で、レヴォンの歌ったり叫んだり叩いてる姿を見てると、体が勝手に動いた。
とにかくすごいエネルギーを感じた。


もちろんレヴォンはバラードだって歌う。
The Night They Drove Old Dixie Down、The Weight、もちろん最高。
でもぼくにとって、彼はザ・バンドで最もロックンロールを感じる
象徴のようなものなのだ。


それはきっと、ぼくがこのアルバムにレヴォンを一番近く感じるから。

ムーンドッグ・マチネー。

ディランとの素晴らしいライブ盤「ロック・オブ・エイジズ」
(2組の共演としては「偉大なる復活」か「ロイヤル・アルバート・ホール」の
ほうが好きだけど)の後、73年に発売された全編R&RやR&Bのカバーで
構成されたアルバム。
もちろんほかのアルバムが先で一番最後に買ったアルバム。
でも今ザ・バンドを聴くならこれ。
そしてその全編で、レヴォンのドラムは神がかってる。
キックもスネアもなにもかもがうたっている。
だからこのアルバムを聴いていて一番レヴォンの姿が浮かんでくる。
今日はこのアルバムを3周聴いた。


ザ・バンドはウッドストックの音楽の素晴らしさをぼくに教えてくれた
はじめのバンドと思うことにしている。
ポール・バターフィールド&ベターデイズ、エイモス・ギャレット、
ボニー・レイット、カレン・べス、ボビー・チャールズ、ジェフ・マルダー、などなど。
彼らと彼らの音楽にはザ・バンドがいなければ出会えなかったはず。
そしてもちろんザ・バンドとレヴォンの存在も、いつもそばにあった。
埃をかぶっていたはずのビッグピンクは、いつのまにか愛聴盤に変わっていた。


これからもザ・バンド、そしてレヴォンの歌とドラムを死ぬまで聴くよ。
ありがとう、そしておつかれさま。
むこうでまたリックとリチャードと素晴らしいロックンロールやってね。

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