長くなりますがレポート。
場所は吉祥寺マンダラ2。
並んでた人の話によるとこの会場にはありえないぐらいの満員ぶりだったらしく、今キてる感バリバリでした。
でライブはというと、これが近年見た中でダントツに素晴らしく、ひさびさにぶっ飛ばされたー。
音楽的にも精神的にも。
ブルーグラススタイルとでも言うのかな?っていうドラムレス形態で、中村まりさんのマーティンを軸に、ペダルスチール、ラップスチール、バンジョー、ワイゼンボーン、ウッドベース、マンドリン、エレキ(これもなんとマーティンだったみたい)、などなど代わる代わるいろんな弦楽器が出てきて、楽しい楽しい。
MCで言ってたけど、全部の楽器の弦の数を足したら101本になったらしい。
単純に言ってもギターで6本と考えると、普通じゃ考えられない数。
彦摩呂ならまさに弦の博物館や~って言うだろうね。
そしてその弦楽器の中心に位置する中村まりさんの、歌いながら弾くアコギってすごい!ボーカルが弾くアコギっていうよりも、ギタリストが自分の中にもう一人いる感じ。
本人も言ってたようにアンサンブルの中だとアコギはかき消されてしまう場面が多かったけど、中盤の弾きがたりコーナーではそのうまさが際立ってた。
歌もカレン・ダルトンとかジョーン・バエズを思い出させるすばらしさ!
ディランのDon't think twice、鳥肌だったな~。
ほかにも原さとしさんのバンジョー好きっぷりも良いし、桜井さんのトレモロかかったジャズ&ブルースなリックも、松永さんの長老の猿的な(失礼!)存在感も最高だったけど、そんな芸達者なメンバーの中でぼくが一番興味があったのが田村玄(玄一?)さん。
もう名前にも「げん」って入ってるし、どんだけ弦好きやねん! て感じですね。
キリンジとか空気公団とかいろーんなバンドに呼ばれてる職人さん。
繊細で艶があるSierraのペダルスチールも、歪んだラウドなラップスチールも、どれもこれも旨みに満ちた音ばかりでした。
そもそもぼくが生でペダルスチールを観たのは、もう7,8年前の埼玉ハイドパークフェスティバルで高田漣さんと駒沢裕城さんを観て以来。
ぼくはやっぱりこの音が好き。
もちろん今弾いてるストリングベンダーにはギターにしかできない表現という意味で満足しているしまだ弾きこなせてもいないんだけど、ペダルスチールとはまた別物という認識をはっきりさせられた。
未だに製造してるメーカーって立川のFuzzyぐらいしか知らないし値段もやっぱりすごいするんだけど、これは買わなきゃ始まらない。
たぶん生半可な練習では習得できないし、うまくなったらもうおじいちゃん、なんてこともあるだろうし、無理してでも手に入れなきゃ、と思ったのです。お金ためなきゃ。
あと、このライブで価値観もちょっと変わった。
ひとつは、「器用貧乏でいいのかも」ってこと。
ぼくはロックンロールとかブルースとか何か一個のジャンルに長けてるわけでもないし、「なんでもそつなくこなすよねー」みたいなことをよく言われてきて、それが自分的にはけっこうコンプレックスだった。
なんでもできる人って、ひとつしかできない人には勝てないと思ってた。
でも田村玄さんを筆頭にいろんな楽器を演奏できる人って、やっぱり聴いてる側からしても演奏する側からしても魅力的。
もちろんすべての楽器を自分の思う通りに操るっていうのは大変だしそれぞれを極めないと意味ないんだけど、ひとつにこだわる必要はないんだな~って昨日思った。
もうひとつ、やっぱりこだわりって大事だなーと改めて。
あれだけルーツに根ざした音楽を突き詰めて、しかも英詩なのに、会場をあんなに満員にしてみんなを良い気分にさせるっていうのは、ロンサム&中村まりさんがずっとこだわってきたことが自然に広がって、だんだんと世間に浸透してきているからだと思う。
だれかの声とか思惑とか関係ない。
彼らのこだわりは今にはじまったことじゃなく、昔からずーっとやってきてるわけだからね。
んで、自分のこだわりってなんだろう~、ってライヴ中ずっと考えてました。
ぼくには大事なものがいっぱいありすぎるんだよなあ。
帰りに思い切ってギターの桜井さんに話しかけて花と路地のCDも渡せたし、収穫ありありの一日。
ぼく緊張しいなのでこういう時なかなか話しかけれないんだけど、がんばって行って渡してそそくさ帰ろうとしたら「名前書いてよ~」って言ってくれて、逆にぼくがサインしたみたいになってしまいました(笑)
ストリングベンダー弾いてますーっていったらちょっと反応してくれた。
聴いてくれますように!
いちおうTシャツも買っときました。
70年代のマーティンの弦のパッケージがモチーフらしいです。見たことないけど。
しかしライヴ見てる時ってやたらトイレ行きたくなるんだけど、みんなよく平気だなーと思うんだよね。
昨日なんて3回は行ったからね!
ビールたくさん飲んでも一回も行かないおじいちゃんとか前に座ってたけどどうなってんの?って思ってました。
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